第26回 アメリカではスポーツものはウケない? その4
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イチオシは「疾風!アイアンリーガー」
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さて、ではいよいよここからです!筆者の勝手な妄想と暴走のはじまりです。
これまで語ってきた条件を満たす作品はあるでしょうか? ・若年層が鑑賞でき、馴染みの持てるもの ・スポ根ものではない/チームプレーを説くのは最小限 ・自己実現のサクセスストーリー
皆さん何か作品を思いつきましたか?
ハイ、では私のイチオシを…ズバリ、
「疾風!アイアンリーガー」です。(以下、アイアンリーガー。)
どんな作品かは、制作会社であるサンライズのウェブページをご覧になっていただければわかると思います。とっても熱い作品です。
サンライズの作品紹介ページ:http://www.sunrise-inc.co.jp/works/index.html
「疾風!アイアンリーガー」 http://www.sunrise-inc.co.jp/datacard/card0108.htm
もう、そのままのタイトルIron Leaguerで放送しちゃいましょう。(笑)
もちろん、アメリカで浸透させるとなると、ケーブルテレビなどで放送されることが前提です。昨今の子供向け番組はほとんどすべてカートゥーンネットワークなどのケーブルチャンネルでお目見えして、はじめて人気が出るからです。とにかくより多くの子供たちの目に触れてくれないと、話がはじまらないのです。
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| なぜ、アイアンリーガーか? |
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私がこの作品に注目したのには、理由があります。スポーツを扱いつつも、ロボットに象徴されるアニメらしさがうまく結びつき、融合した作品だからです。
テーマなど内容的にもアメリカで十分通用すると踏んでいます。冒頭でも説明したように、スポーツものに馴染んでもらうためには、幼いころに触れて楽しんでもらうことが重要です。若年層が鑑賞でき、馴染みの持てるもの、という条件をこの作品は満たしています:
・テレビシリーズは全52話あり、毎日のテレビ放送に適している。(アメリカでは日本の昔の再放送のように、毎日学校から帰宅すると見られる作品が重宝されます。よって長いシリーズの方がテレビ放送にもかかりやすいのです。)
・様々なデザインのロボットが登場し、子供の興味を引く事ができる。(この一種「ポケモン的要素」が私のゴーストに囁くのです、小さい子でもスポーツ目当てではなく、最初はロボット目当てで番組を見てくれるから…と。笑)
こころのつぶやき:
アメリカでは「料理の鉄人」がIron Chefとしてカルト的な人気です。料理番組でありながら、シェフがキッチンスタジアムで料理対決するという、いかにもアメリカ人が好みそうな内容。ヒットしない訳がありません。
ケーブルのFood Channelで放送され、70年代のカンフー映画の吹替えを彷彿させるイロ物っぽい仕上がりがカルトヒットに火をつけたと言われています。
「アイアンリーガー」もタイトルが同じIronではじまることから、作品を知らなくても視聴者は内容をイメージしやすいと思います。
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様々なデザインのガンダムが世界各国の代表として登場し、格闘バトル(ロボットですが…)を繰り広げた「機動武闘伝 Gガンダム」、こちらではメガヒットとまではいきませんでしたが、そこそこの注目と人気は集めています。
多少ケレン味っぽい方が、こちらでは特色と見られてよいのかもしれません。「アイアンリーガー」のロボットがスポーツで競う、という奇抜なアイディアはけっこうイケるかも?
また、主役がロボットではあるものの、メカものとしてではなくキャラとして描かれており(「ロボのキャラ立ち」とでも言いましょうか)、そこはかとなくトランスフォーマーに共通するようにも思えます。
そこがまたアメリカうけするのではないか?という根拠でもあるのですが。
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| 熱血は受け入れられるか? |
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確かに懸念もあります。なぜならこの「アイアンリーガー」、とにかく特訓はするわ、魔球はあるわ、チームプレーを説くわ、パワーインフレは起こるわ、でどこを取っても王道の熱血スポ根アニメなのです。
唯一、選手が人間ではなくロボットであるという設定が従来のスポ根ものと差別化できるところでしょうか。果たしてアメリカの視聴者に受け入れられるのかどうか心配ですが、熱血といえどもそれが明確な自己実現であるならば、大いに歓迎される場合もあります。次にこの自己実現について詳しく述べていきましょう。。
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| フェアプレーという自己実現 |
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作品のあらすじを読むとわかりますが、ロボット選手が参加する競技連盟「アイアンリーグ」を舞台に、暴力的なラフプレーが横行する過酷な状況の中、主人公たちシルバーキャッスルのメンバーはあくまでフェアプレーの精神を貫こうとします。
己の信じるフェアプレー精神によって、最終的にはアイアンリーグ自体を変えていこうとする姿勢は、主人公マグナムエースの自己実現といえます(ロボットですが…)。そのために努力していく姿は、アメリカ人も燃えると思います。(というか、エース萌え?笑)
自己実現を描いたスポーツ映画でおそらく一番有名かつ大ヒットによりシリーズ化もした作品に、ボクシングものの「ロッキー」が挙げられます。その不屈の精神でどんなに自分より強そうな相手でも立ち向っていくロッキーの姿に感動した人も多いはず。
一世を風靡したこの映画は無名俳優だったシルベスター・スタローンをドル箱アクションスターへと一気に押し上げた、アメリカンドリームでもあります。
実はハリウッドのスポーツ映画の定石として、元々弱小チーム(あるいは選手)だったのが、負け犬状態から這い上がり、勝ち上がっていき最後には敵味方関係なく感動を人々に与える、というストーリーはよく見られます。
野球だけに限っても、個性的なダメ少年ダメ少女が集まってダメコーチと一緒に奮闘する「がんばれ、ベアーズ」、第二次大戦中に女性選手だけで編成された野球リーグを扱った「プリティ・リーグ」、マイナーリーグを故障で引退した選手が少年野球チームの子供達に応援されながらメジャーリーグ入りを目指す「オールド・ルーキー」など、逆境に立ち向うテーマがいかに多いことか。
(そういったテーマでないと話が面白くならない、というのもあるかもしれませんが…)
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ここで一言:
上に挙げた映画の原題をご紹介します(筆者の勝手なコメント付き):
がんばれ!ベアーズ=Bad News, Bears
原題では「がんばれ!」とは言ってないんですね。Bad newsというのは「悪い知らせ」ですから…
プリティ・リーグ=A League of Their Own
邦題はあきらかに大ヒットしたプリティ・ウーマンにあやかったタイトルですが、原題を直訳すると「彼女たち自身のリーグ」。
オールド・ルーキー=The Rookie
ルーキーは「新人」という意味ですから、邦題では「オールド(歳を食った)」を付けることにより作品内容を端的に言い表しています。
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ことに「アイアンリーガー」におけるフェアプレーの精神はわかりやすいですから、親にとっても子供にモラル(教訓)として教えやすいと思います。
それにサッカーと野球以外にもバスケ、テニス、ゴルフ、バレーボール、ボクシング、アイスホッケー、ボウリングなど様々なスポーツが登場するので、例え一つの競技に興味がなくても、キャラクター(ロボットですが…)に感情移入していれば、そのキャラを追うために飽きずに見続けてくれるのではないでしょうか。そんなところにもこの作品のうまさが現れていると思います。
…と、ここまで筆者も熱く語ってきたこの作品、実はまだアメリカではリリースはおろか、紹介すらロクにされていません!どこかがピックアップして、然るべきマーケティングとオンエアを行えば、子供達に受け入れられるのでは…というのが筆者の抱く妄想です。
ハイ、暴走もここまで。(笑)
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| まとめ |
前回でもお伝えしたように、徐々にではありますが、スポーツを扱った作品がこちらで展開しはじめています。
新しいものを受け入れてもらい、広めるのには、時間がかかるもの。マンガやアニメ自体にしろ、はじめてアメリカに入ってきてから相当時間が経った上で現在の規模になった訳ですから、一晩で誰もが知っている作品が生まれるなんてのはありえません。
まだまだ先のことかもしれませんが、種をまき、その種が発芽して大きくなるのを我慢強く待つしかないでしょう。やはりこうしたことは、スポ根ものと同じで日々の努力が欠かせないってことなのでしょうね。
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ではまた次回。
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Ciao,
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| Romy |
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